小平峻さん(2024年3月卒業)
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・自己紹介
自己紹介をお願いします。
iUの1期生として入学し、2024年春に卒業しました。
現在は社会人1年目で、人材系の会社に就職しています。今年の8月から正式に配属先が決まり、現在はその部署で日々試行錯誤しながら業務に取り組んでいます。先輩方の背中を追いかけながら、必死に学びつつ成長している最中です。よろしくお願いします!
iUに入学しようと思ったきっかけを教えてください。
私がiUを知ったのは高校生の頃です。生徒会活動や学園祭の実行委員長を経験する中で、外部の学生たちと関わる機会がありました。その中で学生団体を立ち上げたり、当時話題だったSDGsに関連した活動を行ったりしました。
その経験を通じて、自分のキャリアとして「社会起業家」という道が浮かびました。営利目的ではなく、社会問題を解決するための企業を立ち上げるという考え方に強く惹かれたんです。
そして、「その目標を実現するためにはどんな環境で学べば良いのか」と考えて大学を探している時にiUを知りました。
iUの教育方針や少人数制、そして社会起業を目指せる環境が自分に合っていると感じ、最終的にiUへの入学を決めました。
社会起業家としてどのような活動をされていたか教えてください。
最初に取り組みたいと思ったのが「地方における関係人口の増加」です。
地方のお祭りって、若い担い手が少ないことで存続が難しくなっていたり、お神輿が担げなくなっていたりするんですよね。大学時代、そういう状況を目の当たりにして、地方に「第二の故郷」を感じられるような関係人口の仕組みがあればいいなと思いました。
大学では「ソーシャルデザイン委員会」に参加して、地域の方々と一緒に問題解決に取り組んだり、イベントを企画したりしました。地方創生や関係人口づくりに関わる中で、「自分が解決したいことはこれだ」と強く感じるようになりましたね。
ソーシャルデザイン委員会ではどのような活動をされていましたか?
様々な活動をさせていただきましたが、特に印象に残っているのは、私が大学1年生の頃に行った活動です。当時はコロナウイルスの第2波が拡大していて、大学の授業もすべてオンラインでしたし、緊急事態宣言が繰り返し発令される状況でした。
そんな中で、iUの近くにある曳舟小学校さんから「運動会の際、コロナの影響で保護者の方が見学できない」というご相談をいただきました。そこで、最新のIT技術を活用してリモートで観戦できる仕組みを提供できないか、iUの学生が中心となって運営しました。私はそのプロジェクトに携わり、小学校の運動会をリモートで配信するという活動を行いました。
また、墨田区の山本区長との意見交換会にも、iUの学生として参加させていただきました。私は裏方として関わりましたが、最終的には地域の方々に向けて意見を発表する場も設けていただき、地域づくりに少しでも貢献できたのではないかと思います。
さらに、コロナ関連の取り組みでは、高齢者向けのICT講習会も実施しました。当時、Zoomが急速に普及していましたが、これまでパソコンやインターネットに触れたことがない方々にとっては、使い方がわからないという声が多くありました。そこで、iUの3階ホールを活用して「Zoomの基本操作」を教える講習会を開きました。
地域の町内会のイベントや会合などがオンラインで行われることが増える中、少しでも役立てればと考え、学生たちでサポートさせていただきました。
こうした活動を通じて、小学校や地域住民の方々、行政の方々と連携しながら、さまざまな取り組みを行いました。
墨田区の皆さんには本当にお世話になり、貴重な経験をさせていただいたと感じています。
大学で行った活動は他にもありますか?
大学では、入学したばかりの後輩たちが「何をすればいいのか分からない」と悩む姿を見て、短期集中プログラムに参加しました。
プログラム自体は事務局が用意してくれたものですが、僕は先輩という立場から、後輩の考えたアイデアにフィードバックをしたり、改善点や新しい視点を提案したりしました。例えば、「こうすればもっと良くなるんじゃない?」とか、「自分はこう感じたよ」といった形で具体的に伝えるようにしていました。
この経験を通じて、自分自身も考えを整理して発信する力がついたと思いますし、リーダーシップやコミュニケーション力も鍛えられました。
在学中のインターン経験について教えてください。
大学時代は本当にいろんな企業でインターンを経験しました。
例えば、超小規模なベンチャー企業では、フリーの営業としてウォーターサーバーや新電力の販売をしていましたし、上場企業で長期インターンをしたこともあります。
業界も幅広くて、インスタマーケティングや経済メディア、人材ソリューションなど、さまざまな業務に携わりました。最初は「起業家になりたい」と思って大学に入ったんですけど、インターンを重ねるうちに、自分はゼロから事業を立ち上げるよりも、「一から十へ、十から百へ」と事業を成長させることに強いやりがいを感じるようになったんです。
就職に向けたiUの支援はどのようなものがありますか?
iUでは、学生一人ひとりにキャリア支援担当のスタッフがついてくれます。
その方々からは、「最近どうですか?」「就職活動はどんな状況ですか?」といった連絡を定期的にいただき、オンラインで相談させていただく機会がありました。エントリーシートや提出物の添削も丁寧に対応していただけます。
他大学では学生数が多く、相談内容を忘れられてしまうこともあるかもしれませんが、iUは少人数制で、スタッフと学生の距離が近いのが特徴です。そのため、学生一人ひとりに合った個別指導を受けることができます。起業を目指す学生もいれば就職活動に専念する学生もいますが、それぞれの状況や活動をスタッフが把握してくれているので、自分らしい進路を考えやすい環境です。
私自身もエントリーシートについて相談した際、「こういう書き方をすると、あなたらしさが出ますよ」と具体的なアドバイスをいただきました。就職活動の進め方が分からず悩んでいましたが、大変心強い支援でした。
就職活動では、会社ごとに書類の締め切りやエントリーシートの内容が異なり、面接対策やSPI試験など、やるべきことが多くあります。そのため、自分だけでは管理しきれずパンクしてしまうこともありました。
本来なら自分からキャリアスタッフに相談に行くべきところですが、iUのスタッフの方は「最近困っていることはありませんか?」「調子はどうですか?」と定期的に声をかけてくださいます。そのおかげで気軽に話すことができ、自分が考えていることや悩みを共有すると、的確なアドバイスをいただけました。
キャリア支援の方以外にも、様々なプロジェクトをイノベーションマネジャーと行ったり、1クラスに1人担当のイノベーションマネジャーがつくので、その方たちにもラフに雑談のような感じで相談したり、今までの活動を振り返りながらアドバイスをいただけるのでとてもありがたかったです。
就職活動をしている他の人と比較して、iUだから「これができた!」ということはありますか?
iUのコンセプトが他大学と大きく異なる点が、就職活動でも強みになりました。iUでは、能動的に活動する学生が多く、実際に様々な経験をしていることで、企業のニーズと合致するケースが多くありました。
特に、企業の方にiUのコンセプトをお話しすると、「面白い取り組みをしている大学だ」と興味を持っていただけます。そこから、自分が学生生活で行ってきた活動について話すと、企業が求める人材とマッチすることが多くありました。
iUは起業を推奨する大学でもありますが、活動を通して自分のやりたいことが明確になり、進路が変わることもあります。例えば、「様々な活動をした結果として就職活動を選んだ理由」「今後5年以内に実現したいビジョン」などをストーリーとして一貫性を持って説明できるのがiUの強みだと感じています。
面接では「iUってどんな大学?」と聞かれることが多く、そこから自分の活動やキャリアプランを交えて話せるため、自然と自己アピールにつなげられるのが良い点です。
就職した会社について教えてください。
私はIT企業として人材データベースを構築し、プラットフォームを提供する人材派遣会社に就職しました。
私が配属された部門が少し特殊だったこともあって、全体研修では扱わなかった部分を一から学んでいます。特に数字や料金に関する業務や請求書周りの手続きなど、全てが新しい知識なので、覚えるべきことがたくさんあります。インプット量が非常に多くて大変ですが、その分やりがいも感じながら頑張っています。
最近はビジネス系の書籍を読むことが多いです。特に、仕事をする上で必要な知識や人材マーケットの歴史について学ぶために読んでいます。以前は、人材業界の市場や自社がどのような価値を提供しているのか、背景を知らない部分が多かったので、そういった基本的な情報を学ぶようになりました。また、ビジネスフレームワークや専門用語など、自分がまだ知らない知識も本から吸収していて、毎日学びがあります。
自分のキャリア選択について、高校生や若い世代に伝えたいことはありますか?
私がiUに進学する際、正直、両親や高校の先生からは反対や心配の声をいただきました。「リスクがある」と遠回しに言われたこともあります。
多くの人にとって、いわゆる「王道のキャリアルート」、つまり「良い大学に進学し、良い会社に就職し、安定した生活を送ること」が理想とされているのは事実だと思います。
ただ、自分のやりたいことが明確にあるなら、20代のうちはそれに挑戦しても良いと思うんです。王道を歩むことは大切ですが、それだけが人生の成功ではありません。自分の進みたい道が「王道」から外れていると感じても、そこに恐れず挑戦してほしいと思います。
私自身、高校生の時には「この選択で大丈夫なのか」と迷ったこともありました。でも今振り返ると、たとえ違うルートを選んだとしても、自分次第で就職も人生も十分充実させることができるんです。
高校生や若い世代には、「王道以外の選択肢があっても良いんだ」と伝えたいです。自分のやりたいことに挑戦する勇気を持って、未来を切り開いていってほしいと思います。