起業家ストーリー まだない幸せを作ってきた私達#02

自分は何がしたいのか。その解像度を上げること。

株式会社ワントゥーテン
代表取締役社長

澤邊 芳明

Yoshiaki Sawabe

最先端テクノロジーを軸に、デジタル技術を駆使した新サービスの開発や、プロジェクションマッピング・XRなどを活用した商業施設やイベントのデジタル演出などを行っているクリエイティブスタジオ1→10の代表。
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 アドバイザー も務める。

PROFILE

シニカルな視点を持つ。

私は、大学入学後にバイク事故で頚椎を損傷して車いす生活になったことで、人生が大きく変わりました。当時は復学することも将来仕事できるかもわからない状態。想定していた未来が崩れ、人生設計を立て直すために膨大なネガティブと向き合いました。事故当時、怪我して治らない人はリハビリをサボっている人だと思っていて。そう思い込んでいました。医学は万能だと信じていましたから。だから、いくら頑張っても治らないということを理解するのに、だいぶ時間がかかりましたね。ただ、自分の現状と向き合うという時間を強制的に持てたことが、今に活きています。考える時間がたくさんあったので、これから自分はどうありたいのか、とにかく考えました。そうしたら、あることに気がついたんです。それは、現状のシステムを疑うこと。私はシニカルな視点と呼んでいますが、当たり前だと思っていることから、見方や考え方を変えて頭の中に描くのがすごく面白くて。この少しだけ視点を変えるというのは、今も活きていて。ビジネスを継続的に行う上で、とても重要なことだと思います。

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自分の中の仮想敵と戦って勝ち上がる。

もともとは化学専攻でした。でも事故で怪我をして、人生設計を立て直さないといけなくなりました。当時は、インターネットが普及し始めた時代。ちょうどプログラミング言語を学んでいて、WEB制作の面白さに夢中になっていました。さらに復学後、京都のまちづくりを行っていたNPO団体で理事を勤めたことで、プロモーションの面白さにも触れることに。そのとき、この二つを掛け合わせたデジタル広告制作であれば、自分の身体能力であってもハンデなく戦える未来を描くことができました。それが結果的に起業へとつながっていきます。
正直、初めは野望なんてなかったです。起業マインドもありませんでした。ただ好きなことをして、お金を稼げたらいいな、くらいでした。それがデジタル広告賞に2年連続で入賞したとき、すごく負けず嫌いなので、誰が自分よりいい賞を取ったのか、とにかく調べたんです。それでどうするかというと、自分の中で勝手に「次はこの人には負けない」と決める。それで自分の中で勝手に戦って倒していくんです。この人より有名になりたいとか、この人よりは会社を大きくしたい、目立ちたいとか。戦う理由は何でもいいんです。負けず嫌い能力を使って戦ってきた結果、今に至ったと思います。

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人との出会いとつながりを大切に。

2007年頃、スマホの登場とあわせて、それまでWEB制作の大半を占めていたFlashを使ったリッチコンテンツが減り始めてきました。アプリケーションが主流となっていく中で、もうリッチなWEBサイトはいらないと。それは広告の形が変わることを意味していました。日本国内だけでは生きにくくなるなというのが見えていたので、海外の空気を吸いにいくことにしたんです。海外の広告代理店と交流を図って、社員を出向させたり、社長と対談したり。その後、2010年くらいだったと思いますが、これまで広告業界で生きていたクリエイターたちが次々とベンチャー企業へ転職していったんです。特に海外はその反応が早かった。そこで私たちも、いわゆるオリエンがあって制作をするという受注スタイルだけでなく、領域を広げました。自分たちで投資し、プロダクトやビジネスを創り出すスタイルへ。受注スタイルでも食べてはいけたと思いますが、もっと面白いことをするために会社経営の舵を大きく切りました。

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何事も、根気を持って取り組む。

自分がどうありたいかを考えることは、根気が必要です。正直、つらいこともうまくいかないこともいっぱい出てきます。多くの人が「こんなはずじゃない」と言って挫折してしまう。それでも、負けずに未来像を詳細に描くこと。私は「解像度を上げる」と呼んでいますが、未来像を詳細に描けば描くほど、何をすべきかわかります。実現の可能性も高まります。それは間違っていてもいいんです。失敗を恐れず、描いてください。未来像を明確に持つことは、仮想敵を作ることでもあります。仮想敵を作るには、自分のことをわかっていないと作れませんから。「私のライバルはあの人です」と言える人は自分のことをわかっている人です。自分のポジションを分析して競合を設定することができるので、起業するときはまず考えたほうがいい。これからAI時代となり、未来は大きく変わります。当たり前だったことが当たり前じゃなくなる時代だからこそ、違う視点を持つことで新しいアイデアが見えてくるはずです。しんどいかもしれないですが、やはり根気を持ってやることですね。

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HISTORY

澤邊 芳明さんの経歴

1973
東京都出身
1992
京都工芸繊維大学入学
1997
京都でデジタル広告制作会社ワン・トゥー・テン・デザインを創業
2001
ワン・トゥー・テン・デザインを株式会社化
東京、上海、シンガポールに拠点を広げる
2012
ワン・トゥー・テン・ホールディングス(現ワントゥーテン)を設立
IoTやロボティクス、空間演出等、活動の領域を広げる
2016
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アドバイザーに就任
2017
パラスポーツの普及を推進するために、車いす型VRレーサー「CYBER WHEEL(サイバーウィル)」を発表
8月には「CYBER BOCCIA(サイバーボッチャ)」を発表し、エンターテイメントの力を使ってパラスポーツのボッチャを資金援助する仕組みを整えた

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